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連載企画 > ビジネスに効くクイズ 第3回

永世名人・森内俊之が語る将棋に活きるクイズ(全4回)
第2回 『クイズで得た経験が将棋にもつながっている』


 

── ここからは「将棋に活きるクイズ」という、今回のメインテーマに沿ったお話を森内さんに伺いたいと思います。クイズのように多くの知識を身につけ、様々なジャンルを学ぶことは、将棋に通じるものがあるとお考えですか?

そうですね。棋士の基質として集中力が高くてのめり込みやすいというか、一つのことに集中するのが得意な方がたくさんいるイメージなので、趣味の分野でも上達して、形になるケースが多く見られるのかなと思います。

あとは、クイズも将棋も勝負の世界なので、元々勝負ごとが好きなんでしょうね。早押しクイズに燃える棋士も多そうです。

── 集中力の話が出ましたけど、タイトル戦などでは長考することも多いと思います。その間もひたすら指し手のことを考えているのでしょうか?

将棋のタイトル戦は本当に長丁場で、全部で4日間かかる対局もあったりします。待ち時間が8、9時間ということもあります。もちろん長考もしますが、なかなかそんなに長い間、将棋のことだけを考えられないですよね。

私の場合、「集中して考えられる時=調子がいい時」だと捉えているんですが、長い間考えていると迷う部分が出てきて、どうでもいい風になってしまうこともあります。自分の中で心配事があったりすると、そっちの方が浮かんできて集中できなかったりとか。最近はそういうことが増えてきたので、いけないなとは思っています(笑)

── そのような「考える」という行為において、クイズでの経験が役立つことはありますか?

クイズをやってきたことで得た、知識の整理の仕方だったり、答えの導き方だったり、そういった経験が将棋にもつながっていると思います。

将棋の対局でも、最近は“新しい指し方”が出てきて、バラエティが多彩になっていると実感するんですけど、それに対して自分の中で体系立てて考えて、知識を増やすという意味では、クイズと共通な部分もありますね。

── なるほど。ところで、森内さんは本をどれくらい読まれますか?

最近はさっぱり読んでいないんですけど、20代の頃は読書が一番の趣味で、しょっちゅう本屋に行っていました。巷で話題になっている本はもちろん、スポーツノンフィクションなんかをよく読んでいましたね。将棋も勝負の世界ですから、違うジャンルのスポーツ選手のエピソードに刺激を受けたり、参考にしていました。

特に印象に残っている一冊は、元テニスプレイヤーのブラッド・ギルバートの著書です。技術的に対抗するのが難しい相手に対して、いかに頭脳を使って勝ちを目指すかというような内容で、すごく身近な印象を受けたし、面白く読みました。

── 現在、森内さんは日本将棋連盟の専務理事としてご活躍されていますが、実際にどういったお仕事に携わられているのでしょうか?

形式上では会長が職務を果たせなくなった時に、代行する役割なんですけども(笑)連盟にもいくつかの部署がありまして、将棋の普及事業ですとか経理部門を中心に携わっています。

── そういったお仕事の中でも、クイズでの経験が活かされることはありますか?

こういう仕事をしていると、将棋以外の世界で活躍されている方と出会う機会が増えますので、クイズで得た知識が会話の中で活かせる時もけっこうあります。そういう時はクイズをやっていて良かったなと思います。まぁ、もう少しいろいろと勉強すれば良かったかなと、今になって後悔することもありますけどね(笑)ただ、勉強は何歳になってもできますから、新聞や雑誌を読んだり、インターネットを見たりして知識を吸収していければいいですね。

── プレーヤーとして大会に参加したいとか、早押しで答えたいとか、そういった気持ちは今でもありますか?

正直あまりないですね(笑)今出場してもほとんど答えられないと思いますし、間違えるのが恥ずかしいので見ている方がいいかなって(笑)

でも、以前に将棋文化検定で行われたクイズ大会用のプロモーションビデオ撮影で早押し機のボタンに触ったんですが、もうちょっと長くやりたいなとは思いました。まぁ一般クイズでは歯が立ちそうもないですし、将棋クイズでも負けそうですけどね(笑)

── 今後、森内先生が将棋界で行いたいと考えていることはありますか?

形式上では会長が職務を果たせなくなった時に、代行する役割なんですけども(笑)連盟にもいくつかの部署がありまして、将棋の普及事業ですとか経理部門を中止に携わっています。

── 将棋の普及にもクイズを活かすことができそうですね。

そうですね。将棋単体で行うことには限りがあるので、最近は他業種とのコラボレーション企画も増えています。例えばサッカー選手と将棋をやったりとか、歌舞伎の舞台で将棋をお見せしたりとか、いろいろな試みがありますね。そういう上でも、クイズを通して得たつながりを活かして、外に目を向けた活動をしていきたいなと思っています。
>>>次回は、事前アンケートでいただいた質問に対して、森内さんが丁寧に回答。ユニークな質問の数々に、森内さんの意外な素顔が垣間見えます。

取材協力:栗林拓司
掲載日時:2019/02/19 11:00
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